こんにちは、ぴーすけ(@pskpsk1983)です。

なんとかして古民家の敷地内の山林を「活用」したい!

と思ったので「小規模で行う自伐型林業のセミナー」にサクッと参加。

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会場の土佐町役場保健福祉センター2Fにある「あじさいホール」はほぼ満席。

いやぁ、やっぱりこれからの生業として林業にみなさん注目されているんですね〜。

前半「持続発展可能な地域開発のカギ(自伐型林業)」

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登壇者はNPO法人自伐型林業推進協会の中嶋健造さん。

まずは日本の林業状況。

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日本全体で「7割」の森林率で、

高知はさらに多い「84%」なのに林業従事者が驚くほど少ない!

林業トップのドイツでは「120万人」(森林面積は日本の40%)もいるのに、

日本は「10万人」もいない。

環境的には「200万人」でもおかしくないレベルなのに、とのこと。

例えば、ドイツは「年間800mm雨量」だけど、

高知は6月だけで「1000mm雨量」を越し、

日照時間も多いため伐木(皆伐はNG)しても

「新たな山林」が非常に育ちやすいんですよね。

それなのに、誰も林業をやりたがらないのは何故か?

それは「林業は儲からない」という価値観が一般化しているからということでして。

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それもそのはず「国有林は3兆円の大赤字」で一般財源化され、

「各県も3兆円の大赤字」(企業と個人を含む)で、

さらに森林組合は「山林所有者の破綻の上」に乗っているのが実情。

日本の林業は「根本療法」が必要不可欠なんですよね。

いままでは対症療法(補助金3〜5倍等・売り上げの7割が補助金)のみだった。

それが危機から抜け出せなくなってる「原因」とのこと。

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自伐型林業とは?

それは限られた山林の中から毎年収入を得る「環境保全型林業」です。

その事業形態には「良好な森の維持が必須」なんですよ。

例えば農業や漁業って「生産環境を維持」しないと成り立たなくなりますよね?

ごく「当たり前のこと」なワケでして。

でも今までの林業はそうじゃなかった。

全部委託で「一部特定企業体だけによる林業」になっていたのです。

つまり「業者だけ」でその地域の人はやらないような産業だったということ。

ここまでのぼくの感想として

「小規模の自伐型は林業本来のあるべき形にするということなんだ!」

と思いました。

それほど大規模林業は構造的に「崩壊」していると感じたのです。

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今までの大規模林業は「所有」「経営」を分離していたので、

山林所有者が行うのではなく請負事業体による

「1000ヘクタール規模の伐採」が主だったとのこと。

そのように分離された大規模集約施行は、

「皆伐(ハゲ山の状態まで伐木)」してしまうと再造林が採算合わず、

けっきょく全額補助金に頼ってしまい持続的ではないんですよね。

さらに大規模皆伐は土砂災害や環境破壊を生み出し、

地域林業と木材産業に大打撃を与え、住民の流出を引き起こしたり…。

良いことなんて「何一つとしてない」印象。

しかも大量生産を追求するため、製品は合板や集成材用の安いB材が中心。

作りまくった挙句、原木価格が低下する結果に。

本来は質の高い「A材(無垢材)」を流通させるべき。

そして8割皆伐は持続性がないため、

補助金が降りる「業者」は歓喜し、

再生できなくなった(新たに生えてきたとしても次回は100年後など)

森林をみて「山主」が泣くという構造。

なるほど、そういうワケだったんですね…。

なんというか、「皆伐(ハゲ山)」は二度とやってはいけない!

「択伐(必要最小限)」へ切り替えよう!

という強烈なメッセージを受け取りました。

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自伐型林業は山林所有者や地域住民が主体(100㌶に2人がベスト&持続)のスタイル。

大規模林業のような「短伐期(1回の狩猟型)」ではなく、

「長伐期(数十回の山守型)」なのです。

山の中に作る道は「200m/ha」なので、低コスト&安全(地すべり地域は注意)!

昭和40年以降は大規模な投資が前提で(1000m/ha=20㌶×50年)

進めてきたために山林所有者や地域住民を遠ざけてしまい、

実質的な「森林経営の消滅」を招きました。

そもそも農業だけで食おうとしているから(そんなキャパがない)

自治体が消滅しかけているワケでして。

「閑散期は山に入るべき」ですね!ただし、皆伐ではなく択伐で。

皆伐は80%を一気に切り出して50年で終わってしまいますが、

択伐なら同じ範囲を15%〜20%少しずつ切り出し、

「200年以上」続けることができるそうなんですよね。

「①山が主で②農業を副に③そしたら観光もイケる!」というイメージ。

ほんと、こういった順番を間違えてはいけないと思います。

しっかり見極めねばですね…。

とにかく林業を軸にたくさんの副業をする価値観(農家林家という生き方)と、

農業と観光だけじゃ間違いなく自治体は消滅する危機感。

非常に刺激を受けた講演でした。

後半「永続的森林経営の実践と壊れない作業道づくり」

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後半の登壇者は橋本林業の橋本光治さん。

110ヘクタールの土地の相続税(数千万円)を皆伐で払おうとしたら、

有識者に「道を入れて択伐で払え」と諭されたことをきっかけに林業を開始。

やっぱり、大規模の皆伐は素人目に見ても

「山林がダメになっていってたのがわかっていた」そうでして。

早いうちに業者に手を引いてもらったのが良い判断だったとのこと。

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講演のテーマ「みちづくり」でした。

道の切り取り高さは1.4mまでにし排水は尾根へ洗い越し、

110㌶の中に作業道を30kmも自力で作られたそうです。

道の幅は必要最低限の「2m〜2m30cm(ヘアピンのみ3m)」で、

機械も身の丈に合うようなレベルの物だけを使用し

「高密度」に作ったのがポイントとのこと。

付近に公道が作られる時は飛び地を通ってもらったり、

ルート1つで「収益性がまったく違う」から有識者に聞いたりと、

長年かけてコツコツ進められた印象。

しかも「高密に作った路網は航空写真には写らない」のは面白い。

てか「道はありがたい(道を入れれば問題は全て解決する)」は真理ですねぇ。

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「切り取り高1.4m以下」なら自然に還る、

というコダワリかたにも感服いたしました。

クルマが通れるだけの道幅で、

「木の近くを通らせてもらう」という感覚とのことでして。

ギザギザな山は切り取り高が高いとすぐに崩れるし、

究極の「路面勾配44%」も雪が降らないなら可能とのこと(笑)

ハンパないですなぁ。

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木を利用し自然のチカラでみちつくり!

山に入ったらとにかく「観察」するべし。ふむふむ。

レンタル代1日3万の重機は高密に作られた道なら

「不要」というのも納得です。

てか年間の取扱量が「150平米〜200平米だけ」で経営されてるとのこと!

1日2平米の切り出しを2往復するだけ。

まさに「老若男女ができる林業」という軽快さ。

森にしがみついて4世代7人家族、

「道と家族と択伐」がキーワード!いいですねぇ。

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さらに「良い道を作れば山がキレイに見えて林業が続けたくなる」という言葉も素敵!

自伐の「自」には「自立」「自由」「自在」3つの意味を感じるという名言も。

とりあえず、やっぱり大規模林業は

「機械の修理代1000万+燃料代1000万+人件費」

で最初っから破綻しまくりなので参入はオススメできませんよね。

そんな感じで「売り上げの90%が支出」という業者が多いなか、

道と機械があれば「売り上げの20%が支出」で自伐型林業は開始できるそうですよ。

大きく強いものが生き残るのではなく、

「変化に対応できるものが生き残る」…納得です。

ちなみに橋本さんの仕事の流れは、

①1年分(約60本)をプロに頼んで2日で倒す

②4〜5ヶ月葉枯らし

③3.5tユンボ&1tの林内作業者で2ヶ月で運び出す

…とのこと。

1年間2ヘクタールだけで「純利益」が約400万!

100ヘクタールあれば50年できる計算。

さらに「択伐」なので50年後には新たな木々が育っているという循環型。

1mあたり数千円のみちづくり補助がある行政もあるので、

200m作れば数十万円入る可能性も!

「だからまず数十万円で山を買ってヤッてみればいいのでは?」だそうです。

うーむ、話を聞いてたらなんだか自分もできそうな気がしてきましたぞ!

ただ、ぼくのレポートではその魅力を100%をお伝えするのは難しいので、

みなさんもぜひ今後は中嶋さんと橋本さんの「講演」があったらご参加くださいませ!

講習会「儲ける林業」のお知らせ(※現在は募集〆切してます)

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あ、講演会後にアナウンスがあったコチラ、ぼくも参加していきます!

モチロンその様子もコチラにて報告いたしますので、チェックしてみてくださいね〜。

(※2016年8月16日にレポート記事をUPしました。)

質疑応答(中嶋さんが主に応答)

ではでは最後に来客者から登壇者への質問コーナーを掲載しておきますね。

質問1:道作りの補助の申請をしても1/3〜2/3しか降りないという話がある

応答1:それは思い込みか調査不足。高知県なら5ha以上の山なら間伐補助&作業道補助がでる(ただし早い者勝ち)林業事務所と各自治体に相談するべし。上乗せあるが市町村もあるし、補助が1500円/mあれば幅2.5mで作っても元は取れる。

質問2:委託もせずコネクションも無しで1から始めるにはどうすれば?

応答2:なんでもいいから始めて見る。山を持っている人と一緒にタッグを組んだり、研修会に参加してみる。そして自分が出来ると売りだす。本来この流れを役場がやるべき。やっている佐川町には13人も入ってきた。農業を広げた時みたいに段取りをするべき。ただし山の確保は自分がやる。土地を買ってなくてもやりようはある。

質問3:本山の地域おこし協力隊が6名中3名しかいない(林業は0で9月から再募集)

応答3:「林業」ではなく「自伐型林業」で募集すればソールドアウトするはず。3年後の退役も山番(卒業者が作った法人)ができたから行き先はある。

質問4:60年間も手入れされてない山林を長伐期に移行できるのか

応答4:できる。道を入れれば良い。隣の山の人と相談して高密路網を作る。過間伐してなければ風に煽られていないA材が出せるので収益性も良い。飛び地のみちづくりはできるだけ緩い傾斜面の山主と交渉する。山自体は本数が残っているかがポイント。

質問5:皆伐も有効手段なのでは?

応答5:日本なら再生するが、それまでに土砂流出が必ず起こる。広葉樹だけになっても経済的には使えない。昔の人が苦労して植えたものを皆伐するのは失礼なのでは?50年でも元が取れない。環境的(公益)にも経済的(自分)にも良い山を作る意識を持とう。

 

…ってな感じでした。

いやはやなんとも、独自の哲学を持った人の応答は面白いですね!

また機会があったら講演会に参加したいと思いました。

以上です。それではまた!

 

※追記:後半に講演した橋本さんの特集

めちゃくちゃ良い記事でした…。よかったらそちらもぜひどうぞ。

参照:橋本家「脱サラ・非皆伐が行き着いた自伐の道」(徳島県那賀町)

 

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